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  WHO総会、国交樹立国が台湾のために発言 - 台北駐日経済文化代表処 Taipei Economic and Cultural Representative Office in Japan :::
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WHO総会、国交樹立国が台湾のために発言

WHO総会、国交樹立国が台湾のために発言

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 世界保健機関(WHO)の最高意思決定機関である第72回WHO総会(世界保健総会、WHA)がスイス・ジュネーブで現地時間20日に始まり、「台湾をオブザーバーとしてWHO総会に招請すること」をWHO総会の追加議題項目として採択するかどうかが議論された。

 20日午前に非公開で行われた一般委員会では、中華民国(台湾)と外交関係を持つ国々がWHOに対し、「台湾をオブザーバーとしてWHO総会に招請すること」を議題として採択するよう発言した。発言を行ったのはアフリカ南部のエスワティニ王国と中央アメリカのホンジュラス共和国。これに対して中国とキューバが反対を表明。一般委員会は最終的にこれを議題として採択しないことを決めた。

 続いて同日午後に行われた全体会議でも、中華民国と外交関係を持つマーシャル諸島とセントビンセントおよびグレナディーン諸島が「台湾をオブザーバーとしてWHO総会に招請すること」を議題として採択するよう発言し、これに中国とパキスタンが反対する「2対2の弁論」が行われた。それぞれ3分間の持ち時間以内に意見を述べたが、全体会議でも一般委員会の決定に基づき、これを議題として採択しないことを決めた。

 マーシャル諸島のカラニ・カネコ(Kalani Kaneko)保健大臣は「2対2の弁論」で、「ここに参加する各代表の母国は、大多数が自国の憲法を持ち、国民の権利を保護しているだろう。それはWHOも同じだ。1948年4月7日に発効したWHO憲章は、WHOを設立した目的は障壁を取り壊し、政治ではなく人類を優先することにあるとしている。この中立的立場の機関は、あらゆる人々が人種、宗教、政治信条や経済的・社会的条件によって差別されることなく、最高水準の健康に恵まれることを目指すものだ。しかし、WHOは台湾に住む2,300万人の基本的人権を無視し、台湾が世界の保健医療システムに参加できないようにしている。これはWHO憲章に背く行為だ。台湾は東北アジアや東南アジアとアクセスするための重要な交通のハブであり、数十万人に上る外国人労働者が台湾で働いている。台湾は国際交通の要所にあり、台湾でもし感染症の爆発的流行が発生すれば、それは全世界に影響するだろう。SARS(重症急性呼吸器症候群)の流行で、我々は極めて大きな対価を払ってその教訓を得た」と発言した。

 セントビンセントおよびグレナディーン諸島のLuke Browne保健大臣は、「中国は台湾に対する主権を行使したことはなく、台湾が中国の一部であったことは一度もない。この2つは独立した、且つ全く異なる政府である。台湾をオブザーバーの身分でWHO総会に招請することは、違法なことでもなければ、WHOの決議に合致しないことでもない。台湾は過去にオブザーバーの身分でWHO総会に参加していたのに、再び参加することが出来なくなったのは、ひとえに北京当局が現在の台北の政府を歓迎しないという理由から来るものだ」と述べた。

 今年のWHO総会では、中華民国と外交関係を持つ14カ国が「台湾をオブザーバーの身分でWHO総会に招聘すること」を議題として採択するよう提案し、2回の「2対2の弁論」が行われた。結果的に、この提案がWHO総会の議題として採択されることはなかったが、その後、各国の代表から台湾支持を表明する発言が相次いだ。

 米国のアレックス・アザー(Alex Azar)保健福祉長官は、「2009年から2016年までオブザーバーの身分で総会に招かれた台湾が、今回招かれなかったことを米国は遺憾に思う。台湾に住む2,300万の人々にも、ほかのあらゆる人々と同じように声を上げる機会を与えられるべきだ」と述べた。アレックス・アザー保健福祉長官は場外でメディアの取材を受けた際も、「我々は台湾がかつてWHO総会で享受していた身分を取り戻すことに賛同する」と述べた。

 ドイツのイェンス・シュパーン(Jens Spahn)保健大臣は、「すべての人々に健康を(Health For All)というスローガンは、世界の地図上に地理的な空白を生み出さないということだ。グローバル・ヘルスが直面する課題に国境はない。このためWHOはあらゆるパートナーにとってのプラットフォームになるべきである」とし、間接的に台湾支持の立場を示した。

 英国のBaroness Blackwood保健副大臣も、「グローバル化に伴い、健康に対する危機がまん延するスピードは加速し、関連の政府をWHOの枠組みに組み込むことの重要性はより高まっている。健康安全保障問題におけるその貴重な体験と専門知識などを共有する必要がある」と述べた。

Taiwan Today:2019年5月21日

写真提供:中央社
 世界保健機関(WHO)の最高意思決定機関である第72回WHO総会(世界保健総会、WHA)がスイス・ジュネーブで現地時間20日に始まった。台湾は3年連続でWHO総会参加を果たせなかった。写真左は台湾のために発言したセントビンセントおよびグレナディーン諸島のLuke Browne保健大臣、右はマーシャル諸島のカラニ・カネコ(Kalani Kaneko)保健大臣。