日本交流協会の今井正・理事長が楊進添・外交部長に、日本政府による釣魚台列島「国有化」政策を説明
楊進添・外交部長は9月25日、来華した日本交流協会の今井正・理事長と会見した。これは、日本による釣魚台列島3島の「国有化」について日本側がわが国に説明するために派遣したもので、わが国はこの機会に日本側にわが国のこの件に対する立場を直視させるとともに、台日漁業会談および今後の双方関係の発展に意見交換するため、今井理事長の訪問を受け入れた。楊部長は、今井理事長に対し、わが国の立場を以下のように伝達した。
一、釣魚台列島はわが国固有の領土であり、台湾の付属島嶼である。歴史、地理、地質、使用状況あるいは国際法の観点のいずれからも、中華民国が釣魚台列島の主権を有している事実は、疑う余地がない。日本政府が歴史的事実および国際法のルールを無視して、釣魚台列島のうち3島の「国有化」手続きを強行したことは、わが国の領土主権を重大に侵害するものであるのみならず、東アジア地区の緊張情勢をエスカレートさせ、さらにはわが国民の日本に対する友好的感情および両国関係をも損なうものである。これについて、楊部長は2012年9月11日にわが国政府および国民を代表して、日本に厳正なる抗議を表明した。日本のやり方をわが国は絶対に受け入れず、絶対に認めることはできない。日本政府はただちにこの決定を撤回すべきである。
二、釣魚台列島付近の水域は清朝以来、百年以上にわたるわが漁民の伝統的漁場である。わが漁民の当該水域における正当な操業の権利を侵犯することは容認できない。わが国政府はわが国漁民の合法的権益を全力で守っていく。本日(9月25日)、わが漁船が釣魚台列島12カイリ内の海域で日本側の公務船によって違法に妨害され、退去させられたことに対して、楊部長は日本側に強烈な抗議を表明し、わが漁民の当該水域における合法的な活動を日本側は妨害すべきでないと強く要求した。
三、わが政府はこれまでに何度も、わが国が釣魚台列島問題を処理する際には中国大陸と連携しないことを表明しており、さらにわが国政府および国民は台日協力関係および両国民の絆を大切にしている。しかし、日本による釣魚台列島の「国有化」に対しては、わが国の与野党、大衆、メディアは等しく憤慨し、さらには中国大陸と連携すべきだと主張する人も現れている。わが国政府は、日本政府の一方的な行為が重大な結果を招くことへ、厳粛に向き合うよう日本側に要求した。
四、日本は釣魚台列島の主権問題は存在しないと何度も主張しながら、一方的な不法行為を採っており、日本の立場は問題の解決にならないばかりか、逆に地域の緊張情勢をエスカレートさせるだけである。日本側は関係各方面が釣魚台列島の主権に対する立場が異なることにより、争議が発生している事実を直視すべきであり、関係各方面が共に争議を棚上げし、理性的、平和的に対話し、地域平和を守り、東シナ海の資源を共同開発するため、わが国政府が提起した「東シナ海平和イニシアチブ」に応えるべきである。
五、わが国の釣魚台列島の主権の立場は揺らぐことなく、変わることもない。日本側は釣魚台列島の関連問題を処理する際には、わが国と対話交渉を行うべきであり、わが国の地位と存在を無視することは許されない。
六、日本側がさまざまな分野における台日間の実務協力関係が着実に発展していくことを希望し、台日間の漁業分野における交流や協力を推進していくため、引き続き台湾側と緊密に意思疎通を深めていく所存であると表明したことについて、外交部はこれが正しい見解であると認識している。日本は善意と誠意を示すべきであり、釣魚台水域におけるわが漁民の合法的作業の権益を真に尊重し、第17回台日漁業会談の具体的成果として示すよう要求する。
七、わが国は釣魚台列島の共同開発を主張しているが、これは領有権主張の放棄を意味するものではない。関係各方面が同時に争議を棚上げし、理性的、平和的な方法で共同開発し、資源を共有することを通じて、緊張情勢の緩和をはかり、東シナ海の安定を守るためのものである。
このほか、今井理事長は、日本側の釣魚台列島に関する立場を改めて表明し、9月25日午前に、台湾漁船および公務船が釣魚台列島の12カイリ内の水域に大挙進入したことに対して強い抗議を申し入れたが、これに対して楊部長は、釣魚台列島がわが国の領土であり、その水域はわが国漁民が伝統的に操業する漁場であり、わが国の船には進入する権利があるとして、今井理事長の抗議を拒否した。
また、楊部長と今井理事長は、漁業会談の再開に向けて現有のチャンネルを通じて協議を続けていくことに同意し、わが国政府は今回、日本側が今井理事長を台湾に派遣してわが国に説明を行ったことを評価し、日本に対して「東シナ海平和イニシアチブ」の精神に応え、各方面が同時に争議を棚上げし、理性的、平和的な方法で共に東シナ海の平和・安定と繁栄をはかっていくよう呼びかけた。
そのうえで外交部は、わが国政府はわが漁民が釣魚台列島の主権をアピールする行動を支持し、海岸巡防署の今回の漁船護衛活動を評価するものであると強調した。
【外交部 2012年9月25日】