馬英九総統が『亜洲週刊』で釣魚台列島の領有権問題などについて語る

　１１月２日、馬英九総統は香港誌『亜洲週刊』のインタビューに応じ、中国大陸で開かれた中国共産党の第１８回党大会以降の両岸関係、釣魚台列島（日本名：尖閣諸島）の領有権問題などのテーマについて語った。

　中国大陸と平和協議調印の考えについて、馬総統は「一般的に平和協議調印というものは必ず、それ以前に戦争が発生しており、休戦、停戦から平和協議となるもので、両岸にとり、この段階はとうの昔に通り過ぎている。そのため現在の状況で、仮に両岸平和協議に調印する際に、どのような内容を盛り込むことができるというのか。現在、両岸間はすでに１８項目の協議に調印しており、内容はあらゆる分野を網羅しており、調印した内容はいずれも平和を基礎としている。そのため、これについては最優先事項ではない。さらには、台湾の国民も両岸交流については支持しているが、その交流の進度が速すぎることは望んでいない」と説明した。

　「東シナ海平和イニシアチブ」の提起のほか、釣魚台列島の領有権についての争議を処理していく上で、台湾が担う役割については、「釣魚台列島は中華民国固有の領土であり、台湾の付属島嶼でもある。さらに重要なことは、同列島は台湾漁民にとり、１００年以上もの伝統的な漁場である。政府はわが国漁民を純粋に保護するのみならず、わが国の漁民の長年にわたる同海域での漁業権をも保護する必要がある」と強調した。

　その上で、「同イニシアチブの最も核心的な理念は、『領有権は分割することはできないが、資源を分かち合うことはできる』であり、これは双方が領有権問題の棚上げができることである。このポイントは、争議の棚上げであり、領有権を棚上げするのではなく、領有権には影響を及ぼさず、関係各国が領有権は自国のものだと主張することができるが、暫定的にこの問題について論じることはせず、話し合いの重点を資源に置くということである」と指摘した。

　さらに「欧州諸国がいかにして平和的な方法により争議を解決したかを明らかにしている。そのため、私は関係各国が欧州の北海の経験をなにゆえに東シナ海が踏襲することができないのかと常に問いかけている。これこそが、私が提起した『東シナ海平和イニシアチブ』の最も主たる理由である。平和は中身のない平和ではなく、資源を共同開発することを基礎とした平和なのである。資源について解決することができたならば、釣魚台列島の争議を大幅にクールダウンすることができるであろう」との考えを示した。

　東シナ海平和イニシアチブについて、馬総統はさらに「具体的な歩みは、２段階に分けるものであり、第１段階は『３つの二国間協議』、第２段階は、「１つの三カ国協議」であり、できるか否かは関係各国の誠意次第である」と述べた。

【総統府　２０１２年１１月８日】

馬英九総統が『亜洲週刊』で釣魚台列島の領有権問題などについて語る

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