馬英九総統が「世界国際法学会アジア太平洋フォーラム」開幕式に出席

　５月１６日、馬英九総統は「２０１３世界国際法学会アジア太平洋フォーラム」の開幕式に出席し、あいさつの中で、フィリピン公船が５月９日に、台湾船籍の漁船「広大興２８号」を銃撃し、それにより漁民１名が死亡、当該船舶も重大な損傷を被った事件について言及し、「フィリピン公船の乗組員は、台湾とフィリピンが共に主張する排他的経済水域（EEZ）が重なり合う水域エリア内で武力を乱用したものである。この行為は国際法さらに１９８２年の『海洋法に関する国際連合条約（国連海洋法条約）』のいずれにおいても、法的根拠がなく、国際社会は受け入れることはできない。航行自由な海域において非武装であるわが国の無辜の国民が殺害されたことは、いかなる文明国においても受け入れることのできないものである。中華民国は平和を愛する国であり、一貫して平和的な方法による争議解決を主張しており、これまでにもこの原則を何度も実行してきた。フィリピン政府も同様の態度を持ち、『責任あるステークホルダー(responsible stakeholder)』の役割を担ってほしい」と呼びかけた。

　今回の同フォーラムのテーマは、「国際法と争議の解決：アジア太平洋地域の挑戦」であり、馬総統も自身が総統就任後、いかにして平和的な方法により両岸関係および東シナ海諸島の主権争議などの問題に対処しているかについて、出席者にその経験を分かち合った。

　両岸関係について、馬総統は「私が総統就任後、両岸間は合計８回の正式協議を行い、１８項目の協議に調印した。わが国は実務的な政策をとり、制度化された話し合いを通して、両岸間の相互信頼関係を徐々に構築し、これまでにはなかった平和な状況を切り開いた。今後政府は、それぞれ相手側の地に連絡機関の設置ならびに『両岸人民関係条例』の全般的な検討なども含め、引き続き両岸相互交流の拡大および深化を図り、それにより、両岸の平和、繁栄、発展の目標を達成するであろう」との考えを示した。

　また、釣魚台列島（日本名：尖閣諸島）の主権争議については、「２０１２年９月に日本政府が釣魚台列島の国有化を行う以前に、私は８月に『東シナ海平和イニシアチブ』を提言し、『主権を分割することはできないが、資源を分かち合うことはできる』ことから、関係各国に対し、慎重な行動ならびに争議を棚上げし、平和的な方法により争議を解決するよう呼びかけた」と説明した。

　その上で、「歴史的な経験は、国際的な争議を平和的に解決しようとするならば、当事国は必ず現実を直視し、争議を棚上げして、国際法を尊重しなければならず、そうしてこそ実現するということを我々に語っている。中華民国政府は両岸関係の改善および台日漁業争議の解決を図る努力の過程において、わが国が『ピースメーカー』としての役割を担った理論と実践を示してきたことは明らかである」と強調した。

【総統府　２０１３年５月１６日】　

写真提供：中央社

馬英九総統が「世界国際法学会アジア太平洋フォーラム」開幕式に出席

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