馬英九総統が宜蘭県の漁港を視察、台日漁業協議の成果を強調

　馬英九総統は６月２３日、宜蘭県の烏石漁港を視察し、烏石漁港が「１０大魅力漁港」に選ばれるなど観光漁港としての潜在力を評価すると同時に、政府が操業海域を保護し、漁民の操業の権益を守る決意を示した。

　馬総統は、「漁業は沿岸、近海、遠洋の区別があり、台湾は遠洋において特にマグロ漁業が世界一となっている。世界には多くの漁業条約があり、各国が国家の資格で参加しているなか、わが国は国連代表権を失ったものの、『漁業実体』（Fishing Entity）として参加している」と述べ、国際漁業における台湾の存在が無視できないことを力説した。

　昨年、宜蘭の漁民らが発起した「９２５生存のための漁業権護持」のアピール行動について、馬総統は「挑発せず、衝突せず、非武装の平和的な手段で、釣魚台海域の主権と漁業権を示したことは、国際メディアを通じて全世界に伝達され、大きな意義があった」との認識を示した。そのうえで馬総統は、「政府は昨年１１月より、日本と漁業交渉を進め、今年４月１０日に『台日漁業協議』が調印された。これによって、４０年余りにわたる争議が解決し、『主権は譲歩せず、漁業権は大きく進歩』し、重要な成果を得ることができた」と強調した。

　さらに馬総統は、「漁業協議締結後、わが国の漁民の操業範囲総面積は７万４，０００平方キロメートルに達し、約４，５３０平方キロメートル拡大した。台日漁業協議適用水域は、釣魚台列島のなかでも一番の好漁場であり、行政院農業委員会の統計によると、今年４月１０日から６月１０日までに、全台湾で水揚げされた１，０００尾余りのクロマグロのほとんどが同水域で捕獲したものであり、前年同期と比較して明らかに成長したように、同協議はわが漁民が日本の巡視船の干渉を受けずに操業することを保障するものである」と述べ、漁民らに対し、規定を遵守して協議適用水域内で操業するよう呼びかけた。

　また、馬総統は、「台日漁業協議」の方式が南シナ海など他の水域にも適用できるとの考えを示し、「中華民国は平和を愛する国であり、常に平和的方式による国際争議の解決を主張している。漁民が海上で合法的に操業する限り、政府は必ず全力で漁民を守る」と強調した。

　そのうえで台湾漁船「広大興２８号」がフィリピン公船に銃撃された事件について、馬総統は、双方の関係を正常な状態に戻すため、台湾が求めている「正式な謝罪、損害賠償、犯人の処罰、台比漁業協議交渉の着手」の４つの要求にフィリピン政府が速やかに応じるよう改めて呼びかけた。

【総統府　２０１３年６月２３日】

馬英九総統が宜蘭県の漁港を視察、台日漁業協議の成果を強調

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