馬英九総統が「東シナ海平和フォーラム２０１３」の出席者らと会見

　８月６日、馬英九総統は、日本の「（公財）東京財団」の秋山昌廣・理事長、米国の戦略国際問題研究所（CSIS）のラルフ・コサ（Ralph Cossa）ハワイ支部長、デンバー大学「米中合作中心」主任（Executive Director）の趙穂生・教授ら「東シナ海平和フォーラム２０１３」の出席者と会見し、「関係各国が『主権は分割できないが、資源は分かち合うことができる』の理念を堅持し、相互利益という共通の基礎を求めてこそ、より一歩進めた協議および対話が可能となり、平和で繁栄したビジョンを共に描くことができるのである」と述べた。

　また、「台湾、中国大陸、日本はいずれも釣魚台（日本名：尖閣諸島）の主権を宣言しているが、この主張は関連する争議を解決することは決してできず、各国間の緊張情勢さえももたらしている。アジア人は『主権争議の棚上げ』の立場について、『大きな躊躇』があり、往々にして『争議の棚上げ』と『主権の棚上げ』をイコールとしている。そのため、主権の問題では、『一歩たりとも譲歩せず』『徹底して堅持』としており、問題解決のチャンスを大幅に少なくするところとしている。実際においても、仮に国際司法裁判所へ提訴する方法により、この争議を解決しようとするにしても、各国のコンセンサスを得ることはできないであろう」との見解を示した。

　さらに、「釣魚台列島の争議を解決するために、私が２０１２年８月５日に提起した『東シナ海平和イニシアチブ』は、関係する二国間による協議を通して、徐々に争議の範囲を縮小し、共同で問題解決の契機を求めていくことを主張したものである。このイニシアチブは、比較的実務的であり、実行可能な方法である」と説明した。

　馬総統は前日開催された「東シナ海平和フォーラム２０１３」についても言及し、「出席者各位は、二国間交渉の際に、資源開発を行う民間企業、『東シナ海平和イニシアチブの二重ルートによる対話メカニズム確立の可能性の検討』、海洋科学研究など協力範囲の拡大を盛り込むといった多項目にわたる意見を提起されたことは、大きな意義があった。１９６８年に国連アジア極東経済委員会（ECAFE）が行った地質調査において、釣魚台列島周辺海域には多くの海洋資源があることが発見され、この調査結果により今日、各国が争議をもたらすところにもなっている。そのため、科学研究についても慎重に行うべきであり、そうしてこそ争議のさらなる拡大を回避することができるのである」との考えを示した。

【総統府　２０１３年８月６日】　　

写真提供：中央社

馬英九総統が「東シナ海平和フォーラム２０１３」の出席者らと会見

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