リー・クアンユー・シンガポール元首相の逝去に哀悼の意表明

　シンガポール建国時の首相であるリー・クアンユー（李光耀）元内閣顧問が、２０１５年３月２３日逝去された。享年９１歳だった。中華民国（台湾）政府はこの訃報に接し、深い哀悼の意と痛惜の念を表すものである。馬英九総統および毛治国・行政院長はそれぞれ、同国のトニー・タン（陳慶炎）大統領ならびにリー・シェンロン（李顕龍）首相に書簡を送り、衷心よりの哀悼の意と慰問の意を表した。

　リー元内閣顧問は、１９６５年のシンガポール建国以来、中華民国と一貫して堅固な関係を維持してこられた。同氏はわが国と盤石なる友好関係にある友人であり、両国関係発展の促進において、キーパーソンとなる指導的役割を果たしてこられた。リー元内閣顧問は、何度も中華民国を訪問され、わが国の蒋経国・元総統との友好関係および、わが国との関係発展に対する多くの叡智と見解は、両国の長年にわたる交流の基礎を築き、その上で、両国国民の政治、経済、文化面における密接なパートナーシップを大いに育ててきた。シンガポールと中華民国が「台湾・シンガポール経済パートナー協定」（ASTEP）に調印できたのも、この強固な関係が証明している。

　リー元内閣顧問は両岸交流促進面においても、きわめて重要な役割を担い、１９９３年４月に第１回「辜・汪会談」（※台湾の辜振甫・海峡交流基金会董事長[理事長]と中国大陸の汪道涵・海峡両岸関係協会会長による初の両岸トップ会談）がシンガポールで開催を実現した際の重要な担い手であった。同会談により両岸間におけるその後の継続的な平和的対話と安定した交流がスタートしたのであり、その功績はきわめて大きいものがある。

　リー元内閣顧問の突然の逝去に、国際社会は賢者を１人失い、中華民国も誠実な友を１人失った。中華民国と国民は、リー元内閣顧問によるシンガポールと我が国との関係促進および両岸平和の貢献を永久に感謝するものである。

【総統府　２０１５年３月２３日】