台湾のＩＣ産業、今年の予測生産高は１．２８兆元

経済部の統計によれば、台湾の半導体産業は昨年、生産高が１兆元（約３兆円）の大台を突破する好景気に恵まれた。国際研究機関では今年の半導体産業の発展に慎重な見方を示しているが、経済部ではデジタルホームに関する製品の売上が好調なほか、デスクトップ・パソコン、通信製品のＩＣチップなどに対するニーズが依然伸びていることから、今年のＩＣ産業の総生産高は１兆２８００億元（約３兆８４００億円）、成長率は前年比１６．４％増になると予測している。

　経済部工業局によると、昨年台湾の半導体産業は世界景気の回復により、ＩＣ産業はデザイン（設計）、製造、シリコンウエハーの受託生産、パッケージング（実装）、テスティング（検査）の各分野ですべて生産高を伸ばした。このうち、シリコンウエハーの受託生産率は６７．６％で世界のトップを占めたほか、パッケージング、テスティングもそれぞれ４１％、５０．１％に達し、こちらも世界首位となった。ちなみにＩＣデザインは２８．２％で第２位だった。
　
　今年の半導体の生産高は、インテルやマイクロソフトなど大手がデジタルホーム関連製品に力を入れているなか、工業局ではデスクトップＰＣや通信製品に必要なＩＣチップのニーズが今後も高まると見ており、今年のＩＣ産業（デザイン、製造、パッケージング、テスティングを含めた）全体の生産高は、昨年比１６．４％増の約１兆２８００億元（約３兆８４００億円）になると予測している。

　その内訳は、ＩＣデザインが３０２０億元（約９０００億円）で昨年比１５．７％増、製造が７３２２億元（約２兆２０００億円）で同１７．３％増、パッケージングが１７８１億元（約５３００億円）で同１３．７％増、テスティングが６７０億元（約２０００億円）で同１６．１％増となっている。

　工業局によれば、ＩＣ産業の各分野の成長率は昨年より押さえられているものの、産業全体から見れば、今年の半導体メーカーには成長の余地が残されている。現在、台北市南港のソフト園区にはＩＣ設計メーカーが５社進出しており、この７月には新たに２社が進出する予定となっている。

《２００５年７月５日》