高雄県が東京でフルーツ・プロモーション
台湾フルーツの販売促進のため、行政院農業委員会と高雄県の主催する「高雄県産フルーツ・プロモーション」が7月20日、東京都内で盛大に開催された。会場となったレストラン「クイーン・アリス」晴海店には、台湾の政府関係者をはじめ、日本の政治家、メディアや企業関係者ら約100名が出席し、台湾の旬のフルーツを使った多彩な料理を堪能した。
台湾フルーツの一大産地である高雄は、グアバ、棗とライチ(茘枝)の年間生産高で国内一を誇り、パイナップルやパパイヤ、バナナ、レンブ(蓮霧)やマンゴーなどさまざまなフルーツの産地としても有名だ。台湾からはすでにこれらのフルーツが日本に輸出されているが、いっそうの販路拡大のため、高雄県と同県農協関係者ら数十人が来日し、高雄県として今回初めてのプロモーション活動をおこなった。
楊秋興・高雄県長は「日本向けには100年前にバナナを輸出した歴史があるが、今後は日本の消費者にもっといろいろな高雄のフルーツを味わって欲しい」と挨拶。台北に次ぐ台湾第二の都市・高雄はまた、科学園区や環境科学園区などハイテク、エコ分野でも先進都市としての一面を持ち、海外への企業誘致も盛んだ。豊かな自然と観光資源にも恵まれており、楊県長は「日本の皆さんにぜひ高雄に来てほしい」と呼びかけた。
このプロモーションに協力した台北駐日経済文化代表処からは、許世楷・駐日代表をはじめ多くの関係者が出席し、高雄フルーツの第一回プロモーション開催を祝った。許代表は「台湾のフルーツは安心、安全、美味しいと三拍子揃っており、ぜひ多くの人にその素晴らしさを味わって欲しい。とくに楊県長は農村出身で、フルーツの旬や味わい方を熟知しているので、今回紹介されるフルーツはどれもびっくりするほど美味しいはずだ」と述べ、高雄フルーツをPRした。
また、会場には中津川博郷・衆議院議員や深谷隆司・元通産大臣ら日本の政治関係者も出席し祝辞を述べた。中津川議員は「今日のプロモーションをスタートとして、これを機に台湾との農産物交易がより盛んにおこなわれるよう国会でも呼びかけていきた」と挨拶した。
この日会場では、高雄特産の大きな金煌パパイヤやマンゴーを使ったフルーツ料理が振舞われた。同店は都内でも有名なフレンチ・レストランで、TV番組などで知られる石鍋裕オーナーシェフが料理を説明。石鍋氏は、台湾を訪れた際、フルーツの種類の多さに驚いたという。料理はパイナップルのティラミス、マンゴークリーム入りシュークリームなど各種スイーツのほか、マンゴーとバジルのサラダやマンゴー入り酢豚などが並び、人気を博した。また各種フルーツジュースのカクテルや、新鮮なカニやアワビに濃厚なパパイヤの果肉が絶妙に調和したシーフードサラダなども紹介され、自然の恵み豊かな台湾フルーツの新しい味わい方に、会場から多くの注目が集まった。
高雄県農協関係者によれば、日本への輸出は検疫が厳しく、日本市場に入れたことは世界の市場に誇れるクオリティが保証されたことになる。今年は豪雨の影響で一部品薄の感があるが、来年以降はさらに多くの出荷が見込めるという。台南県に次いで日本での販促活動をスタートさせた高雄県。楊県長は「台湾のフルーツは産地を問わず素晴らしく、各地でそれぞれに特色がある。日本は安定した市場であり、今後とも輸出を強化していきたい」と抱負を語った。今回のプロモーションをきっかけに、日本で台湾のさまざまなフルーツが一年を通じて楽しめるようになることを期待したい。
《2005年7月21日》