「新竹バイオメディカルサイエンスパーク」プロジェクトがスタート

　国立台湾大学は８月３０日、「新竹バイオメディカルサイエンスパーク」（ＨＢＳＰ）の建設に関し、民間企業６社との合弁による同パークの運営開発会社を、来年末までに設立することを明らかにした。

政府はＩＴ産業に次ぐ台湾の主要産業として、バイオ産業の振興を推進しており、同パークの建設を国家プロジェクトとして進めている。本プロジェクトは昨年３月に行政院を通過し、台湾大学が政府の委託を受け、民間との合弁で運営開発を行う新会社の設立を進めてきた。

台湾大学は同日、本プロジェクトにおける今後の展望や具体的建設スケジュールについて発表した。それによれば、今回台湾大学と合弁で新会社に出資するのは、漢鼎亜太公司、台湾人寿保険公司、建邦顧問公司、創新工業技術転移公司、台湾工業銀行および世正開発公司の６社であり、新会社は今後、バイオメディカル産業の育成を目標とし、パーク内の開発、建設および管理運営、企業誘致などを初期事業として行うこととなっている。

ＨＢＳＰ準備事務所主任を務める陳維昭・台湾大学前校長によれば、同パークは、現在建設中の台湾新幹線の新竹駅前に立地し、面積３８．３キロヘクタールの敷地内に、今後国際レベルのメディカルセンターをはじめ、東南アジア初のハドロンによるがん治療センター、「がん医学」「血管心臓医学」「臨床ゲノム」「臨床再生医療」「臨床光電子医学」「画像医療」の６つの研究センターが建設される予定だ。これらの研究センターでは、来年７５名の研究生を募集することが決まっている。こうした施設の建設により、バイオ・医療機器や医薬品などの研究開発を行う企業・機関の集積を促し、相互のコラボレーションにより台湾のバイオメディカル産業の発展を図っていく計画だ。

具体的な建設スケジュールとしては、今年末までに運営開発会社を設立した後、２００８年初めにインフラ整備を完了、同年末までにメディカルセンターが完成する予定だ。同パークの第一期工事は２００６年～２００９年、第二期工事は２０１０年～２０１２年、第三期工事が２０１５年～２０１７年に完了する見通しとなっている。新竹は、台湾のシリコンバレーと呼ばれる新竹サイエンスパークや、中央研究院などがあり、台湾を代表するハイテク研究開発と生産の拠点である。また台湾新幹線の完成後は、台北から僅か２０分程度で結ばれ、新たな産業の集積拠点として、その利便性とメリットが注目を集めている。

《２００５年９月１日》