工研院が日本と地震対策技術で協力

　経済部の研究機関である工業技術研究院（以下、工研院）のエネルギー資源所は、１１月２２日、日本の独立行政法人・土木研究所と「台日技術長期協力計画」を締結し、共同で地震に対する研究と対策を進めることを発表した。地質防災技術における台日間の交流と協力体制を強化することにより、地震による両国民の生命と財産の損失を軽減するのがその目的である。

　台日両国はともに環太平洋の火山帯に位置し、地震は主な自然災害である。協力の締結に際し、日本の坂本忠彦・土木研究所理事長が台湾を訪問し、双方は工研院で協議書にサインした。これにより、双方は今後、地滑りや地震、山崩れなどの地質災害について研究を進め、対話と支援対策を強化する方針だ。

　工研院エネルギー資源所は、地質災害の分野ですでに２０年近い実績があり、先進的な衛星観測応用技術や地球物理探査技術、地質調査など総合的な対応能力を備えている。こうした実績が日本からも大きく注目され、双方は数度にわたる研究交流を経て、台日の技術を結合させ相乗効果を図ることで合意し、今回の締結に至った。

　一方、土木研究所は、土木技術に関する研究開発と技術指導を行う機関で、地滑り発生のメカニズム解明や対策工法の研究などにも力を入れている。１９９９年、地震関連の問題について工研院との協力をスタートした。今回、日本側代表団一行は１１月２３日～２５日まで、９・２１中部大地震の被災地を訪れ、現地の地質や被害跡を視察する。また来年１月にも共同研究のために代表団が訪台する予定であり、今回の協力関係締結により、今後さらなる協力体制の強化が期待される。

《２００５年１１月２４日》