蔡総統が仏上院外交・国防委員会の副委員長に「大綬卿雲勲章」を授与

　蔡英文総統が9日午前、フランス元老院（上院）外交・国防委員会のゲリオ（Joël Guerriau）副委員長に「大綬卿雲勲章」を授与し、台湾とフランスの関係のため同氏が果たした努力と貢献を表彰した。蔡総統は、フランスがWHO総会（世界保健機関の年次総会　WHA）で台湾のため声を上げ、台湾との友情を示してくれたことに感謝。同時に台湾とフランスがこれからも様々な分野で連携を深め、台湾とEU（欧州連合）との二者間投資協定（BIA）締結を加速し、強靭性を備えたサプライチェーンを共同で築いていけることに期待した。

　蔡総統は、「勲章を授与することで台湾の人々を代表し、ゲリオ副委員長が台湾とフランスの関係のために果たした努力と貢献に感謝する。両国が今後も様々な分野で連携を深めていけることに期待している」と述べた。また蔡総統は、台湾、フランス、EUはいずれも理念の近いパートナーであり、三者が共に努力すればそれぞれの国に進歩と発展をもたらすことが出来、人々のためより多くの福祉を生み出せるはずだと強調した。

　続いてスピーチしたゲリオ副委員長は、「台湾を訪れるのは2回目だが非常に親しみを覚える。まるで第二の故郷のようだ。（受勲の）崇高な栄誉を非常に光栄に感じるほか、これまで以上に、いかなる場所、いかなる状況下においても台湾を守る責任を負うことになる」と述べた。ゲリオ副委員長はまた、「台湾は自分たちにとっての手本だと言える」とし、その民主の価値に対する固い約束、ならびに経済や工業面での実力が台湾をアジアで最も発展した国の一つにしているとの見方を示した。

　ゲリオ副委員長は、台湾は「台湾を孤立させようとする企て」を受けながらも世界への扉を開け放ち、日々自らの存在のため奮闘していると指摘。一部の大国が台湾の国際組織参与を阻もうとしても、台湾は医療、工業、人道主義及びその他さまざまな分野での専門知識を世界と共有し、その巨大な能力、ならびに他が手本とするに足る為政者と公民の勇気を発揮していると称えた。

　ゲリオ副委員長は、蔡総統から受けた勲章は自分にとって、自分が新たな共同体、「台湾を守る人々」に加わったことの象徴であり、自分には自分がこの栄誉に恥じないことを証明する責任があると説明。そして、「自分は今後台湾が圧迫者に抵抗するのを助け、台湾の自由を促進し、台湾の自由に反対する者たちに対抗し、台湾を無視する者たちに台湾の優れた能力を示していくことを蔡総統に約束する」とその決意を述べた。

　最後にゲリオ副委員長は、台湾がこれからもずっと、今以上の民主と平和にあこがれる世界を照らす一つの明星であり続けることを心から願っているとし、「台湾万歳、フランス万歳」とスピーチを締めくくった。

Taiwan Today：２０２０年６月１０日

写真提供：総統府
　蔡英文総統（右）が9日、フランス上院外交・国防委員会のゲリオ副委員長（左）に「大綬卿雲勲章」を授与し、台湾とフランスの関係のため同氏が果たした努力と貢献を表彰した。