ペロシ米下院議長が離台、米国の台湾に対する揺るぎなき支持を重ねて表明

　米国のナンシー・ペロシ（Nancy Pelosi）下院議長が3日、台湾での訪問日程を終えて離台した。中華民国外交部（日本の外務省に相当）は同日プレスリリースを発表し、ペロシ下院議長の訪台についてコメントした。以下、その内容要約。

　★　★　★　★　★

　米国のナンシー・ペロシ下院議長ら訪問団が3日午後、台湾での訪問日程を終えて専用機で離台。呉釗燮外交部長（外務大臣）が政府を代表し、空港でペロシ下院議長らを見送った。

　ペロシ議長は滞在期間中、蔡英文総統と会談し、蔡総統より「特種大綬卿雲勲章」を授与されたほか午餐会のもてなしを受けた。午餐会には頼清徳副総統、蘇貞昌行政院長（首相）、国家安全会議の顧立雄秘書長（事務局長）、呉外交部長、邱国正国防部長（国防大臣）、王美花経済部長（経済産業大臣）が出席した。また、立法院（国会）の蔡其昌副院長（副議長）、ならびに各党派の立法委員（国会議員）を表敬訪問、さらに国家人権博物館を参観し、国家人権委員会の主席を兼務する陳菊監察院長（中華民国の最高監察機関トップ）及び公民団体の代表と円卓会議を行った。訪台は極めて有意義で、豊かな成果を挙げた。

　ペロシ議長は蔡総統との会談の中で、今回の訪台は台湾への重要なメッセージを伝えるものであり、そのメッセージとは米国は揺らぐことなく台湾と共にあり、米国の上下院はいずれも超党派で台湾を支持していることだと繰り返し強調した。ペロシ議長は同時に、米国が43年前に「台湾関係法（TRA）」を制定したことは米国の台湾に対する約束であり、台米関係の基礎でもあると強調、双方はこれを基礎に安全保障、経済、グッドガバナンスなど各分野での連携を深めていると述べた。またペロシ議長は、台湾は新型コロナウイルスの感染拡大に上手に対応したと称賛、民主自由主義国の成功の手本であり、全世界が学ぶに値すると称えた。

　地域と全世界の情勢が急速に変化する今、外交部はペロシ議長が米国の大物国会議員を多数引き連れて台湾を公式訪問し、実際の行動を以って米国の台湾に対する揺るぎなき支持を示してくれたことに心から感謝する。台湾と米国の関係は緊密かつ友好的で、我が国はこれからも米国政府ならびに議会の友人たちと手を携えて協力し、安全保障、経済など各分野での緊密なパートナーシップをさらに深化させていく。また、米国をはじめとする理念の近い国々と共に努力し、台湾海峡の安全、ならびに自由で開かれ、平和で安定したインド太平洋地域を確保していく。

Taiwan Today：２０２２年８月４日

写真提供：外交部
　米国のナンシー・ペロシ下院議長が3日、台湾での訪問日程を終えて離台した。中華民国外交部は同日プレスリリースを発表し、ペロシ下院議長の訪台についてコメントした。写真は空港でのもの。呉釗燮外交部長（左から1人目）がペロシ議長（左から2人目）ら一行を見送る。