大陸委員会、中共の「台湾に関する白書」に対する声明を発表

　中華民国政府で対中国大陸政策を担う大陸委員会（日本の省レベル）が10日、中国の「台湾に関する白書」に対して声明を発表した。以下、声明の内容要約。

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　中共は台湾に対して連日手段を選ばない武力威圧を行う中、いわゆる「対台湾白書」を発表し、国際法と台湾海峡両岸の事実に反する、「統一」を促す代り映えのない論述を行った。我が方は厳正な抗議の意を表明する。同文書は「独りよがりの考えと事実の無視」に満ちており、いわゆる「統一後の発展の見通し」をでっちあげて台湾の主権侵害という粗暴な行為の過ちを隠そうとするものである。北京当局のこうした雑で拙劣な政治的操作は、愚かにも武力で台湾海峡と地域の平和を侵害し、破壊しようと企む横暴な思考パターンをいっそう浮き彫りにしているほか、中共が長期にわたって失敗し、硬直化した対台湾政策の限界を証明するものである。我々は、台湾は「両岸は互いに隷属しない」を堅持し、「一国二制度」を断固拒否することを厳粛に宣言する。これが現在の台湾海峡の現状であり事実である。

　中華民国は主権国家であり、中共政権は1日たりとも台湾・澎湖・金門・馬祖を統治したことがない。その事実を捻じ曲げた「一つの中国原則」は国連憲章を誤って引用することで台湾に対する主権をでたらめに主張し、国際ルールに挑戦しているが、それはすでに国際社会や多くの民主主義国から非難を受け、強い反対に遭っている。にもかかわらず、今回の「白書」が言う新時代の「台湾に対する総体的な計画」などは代り映えのない論調である。それはただ中国共産党第20回全国代表大会を控えて国内に向けたものであり、嘘でかためた宣伝工作に過ぎないのだ。北京当局が自らも信じないであろう嘘で台湾の発展の道を描いて見せても全く無駄であり、台湾の人々にいっそう極端な反感を抱かせるだけである。台湾の主流民意は「一国二制度の拒否」で早々に固まっている。台湾の前途を決める権利は台湾の2,300万人のみにあり、専制政権の設定する両岸の結末は絶対に受け入れない。

　民主主義の台湾は地域で責任を負う側にある。中共こそが地域にリスクと危機をもたらす最大の問題なのだ。北京当局に対し、台湾に対する武力による脅威と虚偽の陳述の散布を即刻停止せよと厳粛に通告する。我が方は、「自由民主の憲政体制」、「中華民国と中華人民共和国は互いに隷属しない」、「主権の侵害と併呑は受け入れない」、「中華民国台湾の前途は全ての台湾人民の意志に従わなければならない」の四つを堅持している。北京当局はこの「四つの堅持」の主張と台湾が受け入れ可能な最低ラインをはっきりと理解すべきである。我が政府は情勢を慎重に評価し、民主・自由の防衛線を守り抜くと共に、全世界の民主パートナーたちが引き続き台湾を支持し、専制政権の軽率な軍事行動ならびに無責任で深刻な挑発行為を抑止していくよう呼びかける。

Taiwan Today：２０２２年８月１２日

写真提供：大陸委員会
　中華民国政府で対中国大陸政策を担う大陸委員会が10日、中国の「台湾に関する白書」に対して声明を発表、「独りよがりの考えと事実の無視」に満ちたものと批判した。