馬英九総統が台中市の太陽光発電所を視察

　馬英九総統は６月２７日、台中市の友達光電（ＡＵＯ）森勁太陽光発電所を視察し、同社のグリーンエネルギー開発を高く評価するとともに、近年の再生エネルギーおよび省エネ・ＣＯ２削減推進の成果などについて説明し、節電を呼びかけた。

　馬総統は「台湾はエネルギー源の９８％を輸入に依存していることから、再生エネルギーの発展は絶対に必要である」と強調し、森勁発電所の一日あたりの発電量は４．６万kW·h（キロワット時）であり、年間の発電量は約９，０００トンもの二酸化炭素排出量を抑えることができると指摘し、同発電所が今月、経済部能源（エネルギー）局の「２０１５優良太陽光電システム光鐸賞」を受賞し、引き続きグリーンエネルギー発電施設を充実させ、今年末には発電容量が２１ＭＷ（メガワット）に達する予定であり、政府が推進するＣＯ２削減政策の良きモデルとなっているとの認識を示した。

　馬総統は、１９７１年に中華民国（台湾）が国連の代表権を失って以来、「国連気候変動枠組条約」（ＵＮＦＣＣＣ）に出席できず、「京都議定書」の締約国にもなることができない中、それでも台湾は国際社会の一員としての義務を果たすべく、２０２０年の時点でＣＯ２排出量を２００５年の水準まで減らし、２０２５年に２０００年の水準まで減らすことを公約し、全力で取り組んでいることを説明した。

　再生エネルギーの普及について、馬総統は、「政府は『電力制限せず、適正な電気料金を維持し、ＣＯ２削減の国際公約を達成する』および『原子力発電の安全を確保し、徐々に原発を減らし、グリーンエネルギーの環境を構築し、着実に脱原発を目指す』の原則の下、『屋根のソーラーパネル１００万基』、『海陸風力発電１０００基』など、さまざまな再生エネルギー政策を積極的に進めている」と述べ、特に太陽光発電については、２００８年から今年４月までの間に、太陽光発電装置の容量が６３０ＭＷ近くまで成長し、１１２倍に増加したことを強調した。

　一方、馬総統は、「国際エネルギー機関」（ＩＥＡ）によると、２０４０年における世界の主力発電は化石燃料が依然５５％を占め、再生エネルギーの成長スピードは速いとはいえ３３％にとどまり化石燃料を全面的に取って代わるまでには至らず、原発が１２％を維持すると予測されていることから、「再生エネルギーを全力で推進しても、ベースロード電源との組み合わせが必要であり、さもなければ電力不足に陥る」と指摘し、再生エネルギーの漸進的な発展強化と同時に、節電の重要性についても強調し、台湾の持続可能な発展のために共に努力するよう呼びかけた。

【総統府　２０１５年６月２７日】
写真提供：総統府