馬英九総統が基隆新駅開業式に出席、環境に優しい鉄道を強調

　馬英九総統は６月２９日、基隆市で開催された基隆新駅開業式に出席し、新しい基隆駅が観光の商機をもたらし、地方の繁栄を促進することを期待すると同時に、環境に優しい鉄道交通をより一層充実させていく考えを示した。

　馬総統は、今回開業した新しい基隆駅は２００９年に行政院が認可した「基隆駅都市再開発駅移転計画」として建設されたもので、この新駅を基隆の新しい交通ターミナルとしてその他交通機関との乗り継ぎの利便性を向上させることにより、さらなる観光客の訪問が見込まれ、観光収入の増加により、基隆地区の繁栄が促進されることに期待を示した。

　鉄道交通の発展について馬総統は、「台湾高鉄（台湾版新幹線）の開業後、台鉄（在来線）の時代は終わったと多くの人々が思ったが、実際はその逆となった。（２００８年に）総統就任以来、政府は『愛台１２建設』を積極的に推進し、その中でも利便性ある交通網の整備において特に鉄道交通を重視した。なぜなら、鉄道は省エネ・ＣＯ２削減の実現に最も効果があるからだ」と指摘し、「２００８年以来、台鉄の旅客輸送量は毎年増加しており、２０１４年は２００７年と比較して約３７％成長し、営業収入も２０１０年より増加を続け、約２３％増加した」と強調した。

　さらに馬総統は、「２０１０年から２０１５年の間に、台鉄は１１駅を増設し、基隆～台北間の運行間隔も８～１０分に１本へと短縮された。駅数増加とスピードアップにより、利便性が大幅に向上した。台鉄は時代が終わるどころか、新しく生まれ変わったのである」と述べた。

　馬総統は、今年１２月にパリで開催される「国連気候変動枠組条約」（UNFCCC）の第２１回締約国会議（COP21）では、極めて厳格かつ拘束力のある決議が採択される可能性が高いことを説明し、「先日立法院（国会）で『温室効果ガス削減量および管理法』が成立し、さらに政府が鉄道交通の普及に全力で取り組んでいることは、省エネ・ＣＯ２削減に極めて有益であり、今後国際的な評価が得られることにもつながる」との認識を示した。

【総統府　２０１５年６月２９日】
写真提供：中央社