台湾国際放送リスナーの会が開催
台湾の政治、経済、社会、文化にわたる最新情報を世界18カ国語に翻訳し、毎日、ラジオ短波とインターネットを通じて全世界に向けて放送している「台湾国際放送(RTI)」。財団法人・中央広播電台(CBS)が経営母体となっており、ラジオの日本語放送は50年以上続いている。日本では、東京と大阪にそれぞれ「玉山クラブ」と「玉山会」というリスナーズクラブが結成されており、毎年台湾からCBSの関係者が来日し、東京と大阪の2会場でリスナーとの交流を目的とした「リスナーの会」が開かれている。
今年の「リスナーの会」は、CBSの林峯正・董事長、王淑卿・日本語課長、荘麗玲・日本語課アナウンサーが来日し、7月24日に行われた東京での交流会には、京都や長崎からの参加者を含め、およそ70人が集まった。会場となった東京・神田の正則学園は、毎年修学旅行で台湾を訪問するなど台湾との交流に熱心な高校。今年改築したばかりの真新しい講堂には、台湾と日本の両国旗や台湾の観光ポスターなどが華やかに飾られ、会を盛り上げた。
会ではまず、玉山クラブの杉山正蔵会長が「玉山クラブは年々盛んになっており、今年は創立25周年を迎えた。今日は皆さんに大いに交流を深め、楽しんでほしい」と挨拶。昨年に引き続き来日した林峯正・董事長は「今年も皆さんにお会いできて嬉しい。皆さん方が自発的にクラブを結成し、25年間われわれの放送を支えてくれたことに心から感謝したい。台湾には世界一のノッポビル『101ビル』をはじめ多くの観光資源があり、まだ台湾を訪れたことのない方はぜひ遊びにきてほしい」と呼びかけた。また、毎年ゲストとして出席している朱文清・駐日台北経済文化代表処新聞広報部長は「愛知万博を訪れた外国人観光客のなかで台湾は韓国、米国に次いで3番目に多く、台湾は日本の観光客倍増計画に大きく貢献している。日本政府が万博期間中に限り適用している台湾からの観光客に対するノービザ措置が、閉幕後も継続されるよう、皆さん方にもぜひ応援をお願いしたい」と挨拶した。
今年はリスナーズクラブ創立25周年を記念し、RTIが特別に作ったオリジナルバッヂが参加者全員にプレゼントされ、林董事長から杉山会長に記念のたてが贈呈された。また許世楷・駐日代表に代わり朱新聞広報部長から、玉山クラブの台日交流への貢献に対し、表彰状が手渡された。
一方、リスナーとの意見交換では「受信状態の環境が悪いため、日本語放送の周波数チャンネルを増やして欲しい」、「ホームページの更新を早くしてほしい」などの要望が寄せられた。これに対し林董事長は「コスト面や時代の趨勢から、今後の放送はラジオではなくインターネットを拡大、充実させる方向で進めたい」と説明、王課長は「ホームページの更新もできるだけ皆さんの期待に沿うよう努めたい」と述べ、リスナーに理解を求めた。
王課長によると、現在日本語放送のリスナーに登録している人は約2万人で、リスナー人口はおよそ13万人と推測されるという。この日、交流会に出席したリスナーの年齢は30代~80代と幅広く、もともとラジオが好きで台湾の国際放送のファンになった人もあれば、仕事や旅行で台湾を訪れ台湾に魅了された人など、きっかけや背景はさまざまだ。が、共通しているのは「無類の台湾好き」であることだろう。交流会の後に行われた懇親会では、リスナーと林董事長、王課長、荘アナウンサーを囲み会話が弾んだのはもちろん、リスナー同士が年齢や職業を超えて互いの「台湾好き」を披露し、年に一度のリスナーの会が、貴重な交流の場となっていることを印象深く感じた。創立から25周年を迎えたリスナーズクラブが、今後とも幅広い台湾ファンの育成を担い、台日交流の促進の一助となってくれることを心から期待したい。
●台湾国際放送の日本語番組は、毎日1時間、以下の3回の時間帯と周波数で放送されている。
(台湾国際放送の放送時間) (周波数)
日本時間 20:00 ~ 21:00 7130, 11605 (kHz)
日本時間 22:00 ~ 23:00 7130, 9635 (kHz)
日本時間 17:00 ~ 18:00 11605 (kHz)
また、詳しい日本番組表とインターネット放送については、以下のHPをご参照ください。
台湾国際放送 : http://www.cbs.org.tw/japanese/
《2005年7月25日》