蔡総統、エスワティニ王国訪問前に談話を発表

　蔡英文総統は5日午前、アフリカ南部の国交樹立国、エスワティニ王国訪問へ向けて台湾を出発するにあたり、空港で談話を発表した。総統府は今回の3泊4日の外遊の目標を「邦誼同慶・合作永続（=友好をともに祝い、永続的な協力を促進する）」と設定している。蔡総統の談話の概要は以下のとおり。

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　まもなくエスワティニ王国へ向けて出発する。今回の4日間の旅について、我々は2つの目標を設定した。一つは「両国で友好を祝う」こと、もう一つは「永続的な協力を促進する」ことである。

　エスワティニ王国は、我々にとってアフリカにおける堅実な友好国だ。国際的な場において長く台湾のために発言してきただけではない。エスワティニ王国の国王ムスワティ3世は1986年の即位以来、計18回も台湾を訪問するなど両国は深い絆で結ばれている。

　今年は、中華民国（台湾）とエスワティニ王国が国交を樹立して55周年の節目の年となる。エスワティニ王国にとっては建国55周年、国王ムスワティ3世にとっては55歳の誕生日を迎える年でもある。私は、台湾の人々を代表して謹んで祝意を伝え、長く続いてきた両国の友好をともに祝いたいと考えている。

　また、今回の訪問で我々は、両国の永続的な協力を促進していきたい。

　2018年、私は初めてエスワティニ王国を訪問し、両国の協力の状況や発展の方向について現地で理解を深めた。それから5年間、台湾とエスワティニ王国の交流はますます緊密になってきている。新型コロナウイルスのパンデミックという課題に直面しながらも、我々は公衆衛生・医療、女性のエンパワーメント、農業技術など各分野で協力を継続し、ますます多くの成果を上げている。

　我々は、中央政府から地方に至るまで、エスワティニ王国とのパートナーシップをさらに進化できるよう期待している。このため、今回は高雄市の陳其邁市長が重要な任務を負ってこの外遊に同行している。現在、高雄市とエスワティニ王国の首都ムババーネは姉妹都市協定の締結を計画している。我々はこの計画が、両国の教育分野での協力や青年交流に利するものと信じている。

　我々はよく「患難見真情（=まさかの時の友こそ真の友）」という言葉を使う。近年、コロナ禍や権威主義の拡張など、さまざまな困難に直面する中、エスワティニ王国はいつでも台湾に対する揺るぎない支持を見せてくれた。それは、我々が引き続き世界のために貢献するための、自信とパワーを与えるものであった。

　エスワティニ王国と台湾は互いのことをよく知る古い友人同士であり、互いに助け合うことができる真の友人でもある。我々はこれからも、コロナ後の回復の過程で直面するであろう課題に共に向き合い、両国の進歩と発展を促進していきたい。

　外交とは一歩一歩の積み重ねである。世界へ出ていこうとする台湾の歩みは止まらないばかりか、さらに粘り強く、かつ自信をもって前進し続けるであろう。台湾の健全で善良なパワーを、世界にアピールしよう。

Taiwan Today：２０２３年９月５日

写真提供：総統府
　蔡英文総統は5日午前、アフリカ南部の国交樹立国、エスワティニ王国訪問へ向けて出発した。写真は出発前に談話を発表する蔡総統。