頼清徳総統、「台湾とともに民主主義の保護の傘を広げよう」
国連総会の一般討論演説と並行して、米ニューヨークではアメリカの非営利団体コンコルディアによる年次サミットが始まった。頼清徳総統は米東部時間24日午後、コンコルディアサミットにスピーチ動画を寄せ、「台湾とともに民主主義の保護の傘を開こう」と国際社会に呼びかけるとともに、台湾の政府が推進する「平和のための4つの支柱」の理念と行動について詳しく説明した。また、台北駐米経済文化代表処(駐米中華民国大使館に相当)の俞大㵢代表はアメリカのキース・クラック元国務次官との対談で、1971年に採択された国連総会第2758号決議(いわゆる「アルバニア決議」)は「中国によるミスディレクション」であると指摘した。コンコルディアサミットは2011年以降、国連総会の時期に合わせ、国連総会と同じ米ニューヨークで開催されている。世界各地のリーダーや民間のキーパーソンを招待し、世界あるいは地域が抱える問題への解決方法を模索している。
頼清徳総統はスピーチの中で、「我々の目標は台湾を強大にすることだ。なぜなら、台湾がより強大になってこそ、世界の民主主義、自由、繁栄をさらに推進できるからだ。台湾がその他の民主国家とともに民主主義の保護の傘を開き、ともに覇権主義の侵略に対抗できることを心から望んでいる」と訴えた。
頼総統はまた、今年のサミットのテーマが「Navigating a New Era」(新しい時代を切り開く)であることを踏まえ、「このサミットのテーマが示すように、我々は民主主義の発展の新時代を切り開こうとしているが、民主主義は世界各地で深刻な脅威に直面している。ロシアのウクライナ侵攻から2年以上が経過したし、中国は台湾海峡、東シナ海、南シナ海で軍事的挑発を強め、経済的威圧や認知戦などのグレーゾーン戦術によって、世界の平和と安定に深刻な脅威をもたらしている」と警鐘を鳴らした。
頼総統はその上で、「中国の覇権拡張の行為は、しばしば法律戦と歴史の曲解によって行われる。我々はここで民主主義の台湾と専制主義の中国が互いに隷属しないことを強調したい。これは長期にわたり国際社会が公認してきた客観的事実である。中国は国連総会第2758号決議を恣意的に曲解し、且つそれを『一つの中国』の原則と不当に結び付け、台湾は中華人民共和国の一部であり、国連システムやその他の国際会合に参加する権利がないと主張している」と訴えた。
頼総統は、中国の台湾に対する脅威は国際社会全体に対する脅威になっていると指摘。台湾にとって当面の急務は「平和のための4つの支柱」を積極的に推進して台湾海峡の平和と安定を維持することだとして、その理念と行動について詳しく説明した。
その後、台北駐米経済文化代表処の俞大㵢代表が、台湾を何度も訪れたことがあるアメリカのキース・クラック元国務次官と対談を行った。俞代表は中国の国連における代表権問題を処理した1971年の国連総会第2758号決議について触れ、「この議題は長く議論されてきたが、実のところ存在すらしないニセの議題なのだ。中国はこの決議が、台湾が中華人民共和国に属することを証明するものだと吹聴し、これを台湾侵攻の口実にしようとしている。だから我々は、この中国によるミスディレクションを覆さなければならないと考えている。中華民国は中華人民共和国に隷属しない」などと訴えた。
蔡英文前総統は2022年と2023年の過去2年にわたり、国連総会開催期間、コンコルディアサミットを通して台湾が直面する問題や民主主義の維持にかける決意を国際社会に伝えてきた。今年のコンコルディアサミットでは頼総統が引き続き、強靭性の強化や地域の平和維持に努め、各国の理解を得るために取り組む台湾の国防・外交分野での施政方針についてその全容を国際社会に説明した。
Taiwan Today:2024年9月25日
写真提供:総統府
頼清徳総統は米東部時間24日午後、国連総会の一般討論演説と並行して米ニューヨークで開催されているコンコルディアサミットにスピーチ動画を寄せ、「台湾とともに民主主義の保護の傘を開こう」と国際社会に呼びかけ、台湾の政府が推進する「平和のための4つの支柱」の理念と行動について詳しく説明した。
