《前篇》王瑞豊総領事が「中華民国台湾は中華人民共和国に隷属していない」及び「国連総会第2758号決議と台湾独立について」の所見
内政干渉と二重基準
中国側はペロシ下院議長の訪台が中国への内政干渉で、内政不干渉が世界の平和と安定を守る基本準則だと指摘しましたが、実際は、中国こそが他国へ内政干渉をしています。例えば、最近台湾を訪問した日本と台湾との関係強化を目的とする超党派の議員連盟「日華議員懇談会」会長の古屋圭司衆議員に対し、中国外務省は中国内政に乱暴に干渉したと反発し、強烈な非難を表明しました。
ちなみに、「日華議員懇談会」は設立して以来、頻繁に台湾を訪問され、国慶節(建国記念日)式典にはほぼ毎年、4年ごとに開催される総統就任式典などのイベントにも毎回参加し、台湾国会議員や要人らと頻繁に交流が行われています。特に、中華民国建国100年の際に、なんと67名に上る国会議員が訪台し、最多人数を記録しました。
現在会長を務められている古屋圭司衆議員は就任して以降、幾度となく台湾を訪れていましたが、これまでは、中国が古屋先生を名指しで反発することなく、もちろん、度が過ぎる軍事演習ありませんでした。しかし、今回は、中国側がペロシ下院議長の訪台を口実に、大規模な軍事演習を行い、自らが発言した地域と台湾海峡の平和を共に維持するという内容に明らかに矛盾しています。その演習で日本をはじめ、周辺諸国にも影響が出たため、古屋先生ご自身の考えを述べるのは民主国家において、当然の権利であり、中国側が口を出すのはかえって内政干渉に当たるのではないでしょうか。実は、日本だけではなく、先(8)月にウクライナ議会も「台湾友好グループ」を正式に立ち上げ、台湾を訪問したいとの意向を示しましたが、中国が外交的な圧力をかけ、その設立を妨害しました。
一方で、国連のバチェレ人権高等弁務官が退任直前に、中国新疆ウイグル自治区で「深刻な人権侵害」が発生していると指摘する報告書を発表しましたが、それに対して、中国が「内政干渉だ」と反発しました。これこそが二重基準ではないでしょうか。
国際連携の重要さ
話は変わりますが、ウクライナがEU(欧州連合)とNATO(北大西洋条約機構)などの国際組織に加盟できなかったことを、ロシアに攻撃された理由の一つとして挙げました。この点からも、国際と地域の枠組みへの参加が「集団の力」で権威主義国家の脅威を防止するのに役に立つはずです。中華民国台湾は国連(UN)、WHA(世界保健機関年次総会)、CPTPP、ICAO(国際民間航空機関)等への参加資格を十分に有しており、国際社会と地域に貢献する熱意も十二分あります。どうか皆様からお力添え頂くようゆたさるぐとぅうにげーさびら。そうなれば、国際の場でちゃんと意思疎通し、お互いに誤解をなくし、外交ルートで問題を解決できるかと存じます。
沖縄の民意を重視
結びに、今回の軍事演習に対し、台湾は中国を挑発せず、しっかり自制し、沖縄や日本を戦火に巻き込むつもりは毛頭ございません。繰り返しになりますが、台湾は中国のあらゆる脅威に絶対屈しません。石垣市議会、沖縄県議会、与那国町議会がすでに中国に軍事演習を一切実施しないよう強く要求する抗議決議を出しました。中国側が良心と良知を持ち、沖縄ひいては世界の平和と地域の安定を思えば、即座に度が過ぎる軍事演習をやめ、沖縄の民意にちゃんと耳を傾ける外交ルートで平和的に解決すべきではないでしょうか。